医療機器
私たちの生活を支える電化製品は、インターネットと接続して、自動化や遠隔操作など、便利な生活を支えてくれています。
そんなIoT技術は、医療分野にも進出しており、「IoMT」という言葉で注目を集めています。
IoMTとは
IoMTは「Internet of Medical Things」の略。
医療機器とITシステムをコンピューターネットワークを通じてつなぐ技術です。
IoMT製品は、日常的な医療処置や監視業務などの自動化を行い、医療現場の人の負担を軽減しています。
また、IoMT機器と医療情報をインターネットでつなぎ、患者・医療従事者共に広範囲の医療情報にアクセスできるようになり、病院への通院回数の軽減、患者・医療機関共々のコスト削減にもつながっています
なぜIoMTの普及が進んでいる?
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、隔離やステイホームの要請により、遠隔医療や遠隔治療のニーズが拡大し、IoMTの利用が飛躍的に伸びてきました。
急激なニーズの拡大とともに、IoMT市場に多くのコストが投じられ、市場規模も機器の性能も飛躍的に上がっています。
IoMT市場の成熟とともに、今後、遠隔医療や遠隔治療の選択肢が増え、医療業界を変えていく可能性もあります。
IoMTの活用事例
手術支援ロボットを用いた遠隔治療
2021年2月~3月に、医師の操作に従って、施術を行う手術支援ロボットを使用した遠隔手術の実証実験が行われ、約150km離れた場所から高速通信回線でつなぎ、手術支援のロボットが操作されました。
操作の遅延が極めて少なく、手技もスムーズであるという実証結果が出ており、実用化には仕組みづくりなどまだまだ時間はかかりますが、各地域で実証実験を進め、居住地域で十分な医療を受けられる遠隔手術が今後受けられるかもしれません。
情報参照元:先進医療.net(https://www.senshiniryo.net/column_a/37/index.html)
WEB問診システムを利用した診療受付
コロナ禍のときの病院は、誰もが来れる場所ではなく、症状によっては自宅待機かどうかを判断しなくてはならない状況でした。
その際に利用されたのがWEB問診システム。
患者さんは、家にいながら、症状などの問診を入力し、医療機関側の判断を仰ぎ、病院に行くかを判断でき、通院回数の削減につながります。
医療機関側も問診内容を基に、すぐに治療を行うべき患者さんと経過観察で問題ない患者さんかを判別し、医療機関の負担軽減につながりました。
双方にとってメリットがあり、今後スマホを持たない患者さんへの対応の配慮など、誰も置き去りにしないWEB問診システムの利用が期待されます。
情報参照元:一般社団法人全国医療介護連携ネットワーク研究会 コロナ禍でのWEB問診活用事例[pdf](https://allgungun.gunma.med.or.jp/wp-content/uploads/movie/ikairen-ict-03-web-case-study.pdf)
「IoMT」と組み込みエンジニアの関係性
IoMTにおいて、医療機器がインターネットを介して、受信した情報をどのように判断し、どのように表示させるか?など制御システムのプログラムが判断をします。
このプログラムを開発するのが、組み込みエンジニアの仕事となり、コロナ禍から需要は拡大し続け、今後も「IoMT」の市場において、組み込みエンジニアは求められると考えられています。