組み込み機器の制御に用いる機械語とは?
この記事では、組み込み機器の制御に用いられている「機械語(マシン語)」について解説しています。どのような言語なのか、その構成や、できることなどをまとめました。
組み込み機器の制御に用いる機械語(マシン語)とは
組み込み機器を制御するプログラムには、いくつかの開発言語が用いられています。機械語(マシン語)はその中のひとつで、マイコンに内蔵されているCPUが理解できる言語を指します。機械語は人間にとって読みにくいものですが、コンピューターにとっては理解しやすく高速で処理できる言語であるため、プログラムを実行する上で欠かせない要素です。
機械語はCPUによって異なる点が特徴のひとつとして挙げられます。それぞれの機械語の仕様の違いとしては、例えば「CPUが理解できる命令の種類・数が異なる」「命令の長さが異なる」「演算方法が異なる」「データの記録方法が異なる」といったものがあります。
機械語の構成
機械語は「0」と「1」のバイナリ数列で表現されており、プログラムを作成する上で最も基本的な要素となります。ただし、0と1のみの羅列となっている機械語を読み書きするのは非常に難易度が高いといえるでしょう。そのため、プログラムを作成する際には他のプログラミング言語を使用し、それを機械語に変換してCPUに実行させる形式を取ることが一般的です。
機械語でできること
機械語でできることにはさまざまなものがあります。
例えば、機械語はメモリの読み書きを行うことが可能です。メモリの読み書きはコンピュータにとって基本的な機能で、プログラムを作成する上で不可欠なものとなっています。また、機械語は「加算」「減算」「乗算」「除算」などの演算処理が行えます。プログラム内で行われている演算処理は、機械語を用いることによって実現されています。
さらに、機械語によって制御構造を実現することができます。例として「条件分岐」や「繰り返し処理」などが挙げられますが、このような機能を用いることによって、さまざまなプログラムの作成が行えます。
機械語を習得する必要はない
上記でご紹介している通り、機械語は人にとって非常に理解しにくい言語であることから、コードを記述しようとすると非常に煩雑で手間がかかります。そのため、プログラムを開発する上では人間が理解しやすい形でコードの記述が行える「高級プログラム言語」を使用するのが一般的となっています。
高級プログラム言語には、例えばC言語などがあります。C言語はプログラマーにとって読み書きが容易であり、理解しやすい形で記述できる点が特徴です。C言語で記述されたプログラムは、コンパイラにより機械語に変換(=コンパイル)が行われ、生成された実行ファイルをCPUで実行させることができます。
このような高級プログラム言語は、「人間の言語に近い形でプログラミングを行えるように」という要求から生まれたものです。条件判定や分岐、繰り返しなどの基本構文について、人間の思考形態に沿った形で記述することが可能です。
求められる品質が高い
もし機械語を学ぼうと思った場合には、CPUの動作原理や、どう命令を解釈して実行するか、という部分から理解することが大切なポイントとなります。さらに、基本的なコンピュータの構造や動作(メモリやレジスタ、スタックなど)についての理解も必要となります。
また、機械語で書かれたプログラムは修正や改善を行うことが難しい点も考慮しておく必要があります。一度バイナリ形式でコンピュータに入力されると変更ができないため、修正が必要となった場合には新しいプログラムを作成しなければなりません。
組み込みエンジニアは未経験でもなれる
こちらの記事では、機械語(マシン語)についてご紹介してきました。実際の組み込み開発の現場で用いられている言語には、1972年に作られ現在も広く使用されている「C言語」や、オブジェクト指向の言語である「Java」、機械語に近いプログラミング言語である「アセンブラ」などがあります。
組み込みエンジニアとして活躍するためには、上記のような言語を習得することが必要になってきます。これまで組み込みエンジニアの経験がない人の場合、育成環境が整った企業であれば言語についてもしっかりと身につけられるので、そういった企業を探してみるのがおすすめです。