組み込みエンジニアと英語力との関係
家電製品や自動車のナビゲーション、スマートフォンなどを制御するシステムを開発し、組み込む役割を担うのが組み込みエンジニアです。その仕事において、果たして英語力は必要となるのでしょうか?詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
組み込みエンジニアに英語スキルは必要?
結論から言うと、組み込みエンジニアとして長きにわたって活躍したいのであれば、英語スキルを身に着けておくことが望ましいと言えます。もちろんプログラミングに必要となるC言語について学んだり、システムの設計についての知見を増やしていくことが最重要であるのは間違いありませんが、英語力はまったく必要ない、組み込みエンジニアとしての技量だけを向上させればいい、という考えは誤りです。長い目で見て、英語力を身に着けていくという意識を持つことは、組み込みエンジニアとして将来的にも様々なメリットが期待できます。
組み込みエンジニアが英語を使えるメリット
海外製の部品・製品のマニュアルや用途を理解できる
組み込みエンジニアの仕事というものは、家電製品やスマートフォンなどのデバイス機器を制御するためのソフトウェアを設計し、組み込んでいくという役割を担っています。そうしたソフトウェアを組み込む対象となる製品が元々海外製であったり、使用する部品が海外製であったり、というケースが年々増加しています。
言うまでもなく、組み込みエンジニアが海外製品をベースに新たなソフトウェアを組み込むというプロジェクトに着手する場合、まずは製品の取り扱い説明書や仕様書などをしっかり読み込み、理解を深めることが不可欠です。同じく海外製の部品に関しても同様にマニュアルを読み込まなければなりません。
こうしたケースに正しく対応するためにも、エンジニアには英語のスキルが求められます。翻訳事務所に依頼した場合、ITに関する知見が十分でないため、不十分な翻訳となってしまうこともあり得ますので、エンジニアとしての知識を駆使しながら、英語スキルを向上させることが望ましいと言えるのです。
英語で書かれた技術書や最新のニュースを理解できる
近年では日本語で入手できる機会も増えてきてはいるものの、組み込みエンジニアを対象とした技術書や最新のニュースというものは、多くの場合は英語でリリースされて日本語に翻訳されていない、あるいは翻訳されるまでのタイムラグが生じてしまうということになってしまいます。それらの情報を迅速かつ正確に把握するためにも、組み込みエンジニアには英語スキルが求められるのです。
例えば、海外の組み込みエンジニアがプログラムの開発中にどのようなエラーが発生し、どのような対応策を講じたかという最新の情報も、海外のwebサイトを通じていち早く入手することができ、自身が携わっているプログラム開発にノウハウを応用するといったことにも役立てることができます。逆に、何らかのトラブルが発生した場合、海外サイトにそうした事例が紹介されていたとしても、英語が読めなければ見つけられず、問題解決に時間を要してしまうということもありえます。そうした情報収集に関するアドバンテージのためにも、英語力は身に着けておくべきなのです。
外国人・海外拠点のメンバーとコミニュケーションできる
いわゆるグローバル企業や外資系企業など、海外に拠点を有する企業の場合、外国人の組み込みエンジニアが在籍しているのは、今や当たり前となっています。また、国内拠点をメインとしている企業でも、外国籍の組み込みエンジニアが働いている場合も増えています。日本人の組み込みエンジニアは人材不足の傾向に悩まされており、純日本企業であっても、海外から組み込みエンジニアを雇用するということは珍しいことではありません。
こうした状況を鑑みると、日本人の組み込みエンジニアの英語力は、ますます重要になっていくでしょう。日常的なコミュニケーションを交わすのはもちろん、プログラミング開発やシステム設計などの業務においても、情報の共有やアドバイス、ディスカッションやブレインストーミングなどをスムーズに行えるようになり、ひいては日々の業務の効率化や開発時間の短縮、翻訳のためのコスト削減といった様々なメリットが期待できます。
組み込みエンジニアに必要な英語レベル
組み込みエンジニアには英語力が求められるというのは、もはや自明の理となっていることがお分かりいただけたことと思います。その上で、実際にどの程度のレベルの英語力が求められるのか、気になるところではないでしょうか。
まず、組み込みエンジニアが最低限習得しておくべきレベルは、中学卒業相当の英検3級レベル。これは、最新情報などを収集するためには不可欠な水準ですが、もちろん、それ以上の英語力があれば望ましいと言えます。
その上で、英語を主体として業務に携わる、海外拠点に赴任するという場合には、ビジネス英語を習得しているという基準となるTOEIC700点以上を取得しておくことが望ましいと言えます。また、アメリカの大学教育を受けるためのTOEFLやイギリス型の大学教育を受けるためのIELSなども役立つ指標となるでしょう。